
飛行機へお弁当や冷たい食品を持って行きたいものの、保冷剤まで機内へ持ち込めるのか迷うことがあります。
冷凍庫で凍らせて繰り返し使う一般的な保冷剤でも、国内線と国際線では準備方法が異なります。
また、袋を叩いたり折ったりして冷やす瞬間冷却剤は、一般的なゲル状保冷剤と同じようには判断できません。
この記事では、一般的なゲル状・ハードタイプの保冷剤を中心に、国内線と国際線の違い、100ml制限、凍らせた場合、預け荷物へ入れる場合の注意点を整理します。
この記事は、日本国内線と、日本の空港から出発する国際線を中心にまとめています。
海外からの帰国便や乗り継ぎ便では、出発国や乗り継ぎ国の規定も確認してください。
飛行機の保冷剤は国内線と国際線で扱いが異なる
飛行機で保冷剤を運ぶときは、最初に国内線か国際線かを確認します。
国内線では、国際線で実施されている液体物の100ml制限は適用されません。
ただし、液体物検査装置などを使った通常の保安検査は行われます。
JALの国内線FAQでは、本体を冷やして使うタイプや、冷凍庫で凍らせて使う一般的な保冷剤は、機内持ち込みと預け入れのどちらも可能と案内されています。
これはJAL国内線の案内であるため、ほかの航空会社を利用する場合は、実際に便を運航する航空会社の規定を確認してください。
一方、日本から出発する国際線では、凍らせた保冷剤もゼリー状の保冷剤も液体物制限の対象です。
機内へ持ち込む場合は、保冷剤1個が100mlまたは100g以下であることを確認し、容量1リットル以下の透明な再封可能袋へ入れます。
飛行機へ持って行く食品そのものの条件は、飛行機に食べ物は持ち込みできる?国内線と国際線の違いを分かりやすく解説でも確認できます。
保冷剤の100mlと100gは何が違う?
国際線の液体物制限は、基本的に容器の容量を表す「100ml以下」で確認します。
ただし、ゲル状の保冷剤には、「90g」「100g」など、容量ではなく重量が表示されている製品もあります。
国土交通省の公式FAQでは、密度の違いがあることを前提としながら、国際線の液体物制限では重量表示を1g=1mlとして読み替えると説明しています。
同FAQでは、内容量90gと表示された容器は、液体物制限上は90mlとして確認できる例が示されています。
これは、すべての物質について物理的に1gと1mlが同じだという意味ではありません。
あくまで、日本から出発する国際線の液体物持ち込み制限における確認方法です。
この記事では、容量表示の場合は「100ml以下」、重量表示の場合は「100g以下」と案内します。
中身が少ししか残っていなくても、容器自体が100mlを超えている場合は、機内持ち込みの条件を満たしません。
100ml以下の容器へ詰め替えるか、チェックインカウンターで預ける荷物へ入れる方法を検討してください。
【国内線】一般的な保冷剤の機内持ち込みと預け入れ
この記事でいう一般的な保冷剤は、冷凍庫で凍らせて繰り返し使う次のような製品です。
・袋の中にゲルが入ったソフトタイプ
・樹脂製容器に入ったハードタイプ
JALの国内線FAQでは、一般に流通している冷却・冷凍タイプの製品について、機内持ち込みと預け入れの両方が可能と案内されています。
機内で食べるお弁当や軽食を冷やしたい場合は、保冷剤を機内持ち込み手荷物へ入れます。
到着後まで使う予定がない場合は、預け荷物へ入れる方法もあります。
製品の種類を判断できない場合や、JAL以外の航空会社を利用する場合は、商品名や成分表示の写真を用意し、運航航空会社へ確認してください。
国内線で保冷剤の液漏れと結露を防ぐ方法
ソフトタイプの保冷剤は、表面に破れ、傷、膨らみがないかを確認します。
問題がない場合も、保冷剤をそのままバッグへ入れるのは避けましょう。
まず、保冷剤をジッパー付き保存袋へ入れます。
その上から薄いタオルやキッチンペーパーで包むと、結露によって保冷バッグや食品容器が濡れるのを抑えやすくなります。
食品の上へ直接置くのではなく、薄い布や紙を間に挟み、保冷バッグの中で動きにくい位置へ入れてください。
預け荷物へ入れる場合は、保冷剤を二重の袋へ入れ、スーツケースの中で押しつぶされにくい位置へ置きます。
電子機器、書類、濡らしたくない衣類とは離しておきましょう。

瞬間冷却剤は成分によって持ち込みできない
袋を叩いたり折ったりして冷やす瞬間冷却剤は、冷凍庫で凍らせて繰り返し使うゲル状保冷剤とは、成分や冷える仕組みが異なります。
国土交通省の「機内への持込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例」では、「瞬間冷却剤(冷却パック)」が医薬品類の品目例として掲載されています。
一方、国土交通省の資料は代表例であり、航空会社の社内規則によって制限が厳しくなる場合や、安全性を確認できない製品を運べない場合があることも案内されています。
JALの一般的な保冷剤に関するFAQでは、冷却して使う製品や凍らせる製品を機内持ち込み・預け入れ可能としています。
しかし、JALの「特にお問い合わせの多い危険物の代表例」では、「瞬間冷却材」は機内持ち込み・預け入れとも不可と掲載されています。
同資料には、使用されている硝酸アンモニウムが危険物に該当するため、使用後も機内持ち込みと預け入れができないと明記されています。
JALのFAQでは、叩いたり折ったりして使用する冷却剤を機内持ち込み・預け入れ可能と案内しています。
一方、JALの危険物資料では、硝酸アンモニウムを使用した瞬間冷却材は、使用後も含めて機内持ち込み・預け入れともできないと案内しています。
瞬間冷却剤は製品によって成分が異なるため、商品名と成分を運航航空会社へ伝えて確認してください。
そのため、「市販の瞬間冷却剤なら一律に持ち込める」と判断してはいけません。
この記事では、袋を叩いたり折ったりして使用する瞬間冷却剤を、持ち込み可能な一般的保冷剤の対象から外します。
特に、成分表示に硝酸アンモニウムが記載されている製品は、JALでは機内持ち込み・預け入れともできません。
瞬間冷却剤を持参する必要がある場合は、次の情報を実際に便を運航する航空会社へ伝えて確認してください。
1.正式な商品名
2.メーカー名
3.使用されている成分
4.1個の内容量
5.機内持ち込みか預け入れか
成分表示を確認できない場合や、航空会社から輸送可能という明確な回答を得られない場合は、機内持ち込みにも預け荷物にも入れない方が安全です。
【国際線】保冷剤の機内持ち込みは100ml以下が基本
日本から出発する国際線では、一般的なゲル状保冷剤も液体物制限の対象です。
機内へ持ち込む場合は、1個が100ml以下であることを確認します。
外装が重量表示の場合は、100g以下であることを確認してください。
保冷剤は、化粧水や歯磨き粉など、ほかの液体物と一緒に容量1リットル以下の透明な再封可能袋へ入れます。
凍らせた保冷剤も国際線の液体物制限を受ける
完全に凍っていれば液体ではないため、大きな保冷剤でも持ち込めると考えやすいのですが、凍らせた状態でも液体物制限から外れません。
国土交通省のFAQでは、保冷剤は凍っている状態でもゼリー状でも、100mlまたは100g以下の個々の容器であれば、1リットル以下の透明袋へ入れて客室内へ持ち込めると案内されています。
朝まで完全に凍らせたかどうかではなく、外装に記載された容量または重量を確認してください。
国際線へ持ち込む保冷剤の表示を確認する
国際線用には、外装に「90g」「100g」などの表示が残っている保冷剤を選びます。
ケーキ店などでもらった保冷剤には、容量や重量が記載されていない物もあります。
見た目が小さくても、容量や重量を確認できない場合は、保安検査場で持ち込み可否を判断されることになります。
表示が消えている物や内容量が分からない物は、国際線の機内持ち込み用には選ばない方が迷いません。
国際線用の保冷剤を透明袋へ入れる方法
100mlまたは100g以下の保冷剤は、ほかの液体物と一緒に透明なジッパー付きプラスチック袋へ入れます。
袋は容量1リットル以下で、無色透明かつ再封できる物を用意します。
袋の口が完全に閉まるようにし、持ち込める袋は1人につき1袋です。

袋のサイズは、縦20cm×横20cm程度を目安にすると、容量1リットル以下の物を選びやすくなります。
サイズ表記で迷う場合は、無理に大きな袋を使わず、容量1リットル以下と明記されたマチなしの透明袋を用意してください。
保冷剤だけで透明袋をいっぱいにすると、旅行中に必要な化粧品や歯磨き粉などを入れられなくなります。
持参する液体物を一度すべて並べ、袋を無理なく閉じられる範囲で保冷剤の個数を決めましょう。
国際線の保安検査で保冷剤を取り出しやすくする
透明袋は、機内持ち込みバッグの底ではなく、上部や外ポケットなどへ入れます。
保冷バッグの中へ食品と保冷剤を一緒に入れる場合も、保安検査が終わるまでは透明袋だけを取り出せる状態にしておきます。

検査直前にバッグの中を探し回らないよう、自宅を出る前に取り出す順番まで決めておくと慌てにくくなります。
食べ物と飲み物を検査前にどう分けるかは、飛行機の保安検査で食べ物は出す?飲み物との違いと通過前の準備方法で確認できます。
【国際線】100mlを超える保冷剤は預け荷物を検討する
100mlまたは100gを超える一般的なゲル状保冷剤は、機内持ち込みではなく、チェックインカウンターで預ける荷物へ入れる方法を検討します。
ただし、液体物の容量制限と危険物に関する規制は別のものです。
航空輸送上の危険物に該当する製品は、100ml以下であっても、機内持ち込みにも預け入れにもできません。
特に、硝酸アンモニウムを使用した瞬間冷却剤は、一般的なゲル状保冷剤と同じように預け荷物へ入れないでください。
JALでは、該当する瞬間冷却材を機内持ち込み・預け入れとも不可としています。
一般的なゲル状保冷剤を預ける場合は、破れや膨らみがないことを確認し、二重の保存袋へ入れます。
さらにタオルや衣類で挟み、スーツケース内で強く圧迫されない位置へ置いてください。
大きな保冷剤や成分を判断できない製品は、預ける前に運航航空会社へ確認しましょう。
医薬品を冷やす保冷剤は食品用と扱いが異なる
インスリンやホルモン剤など、移動中も冷やす必要がある医薬品のための保冷剤は、一般の食品用保冷剤とは別に準備します。
国土交通省のFAQでは、携帯中に冷やす必要がある薬のための保冷剤は、薬と一緒に医薬品として検査員へ申し出ることで持ち込めると案内されています。
処方箋の写し、薬の説明書、診断書、使用者の氏名などを確認される場合があります。
ANAは、機内で薬剤を預かったり冷蔵したりできないため、利用者自身で保冷容器を準備するよう案内しています。
国際線で薬品保冷用の保冷剤を持ち込む場合は、外装から薬品保冷用と分かる物、または薬剤の保冷が必要だと記載された医療機関の英語証明書を携帯することを勧めています。
医薬品と保冷剤を別々のバッグへ入れず、保安検査で一緒に提示できるようにまとめてください。
搭乗前に航空会社へ連絡し、必要な書類、持ち込める量、申告方法を確認しておきましょう。
帰国便と乗り継ぎ便でも保冷剤の規定を確認する
日本を出発するときに持ち込めた保冷剤でも、海外からの帰国便や乗り継ぎ後の便へ同じ条件で持ち込めるとは限りません。
海外の乗り継ぎ空港で再び保安検査を受ける場合は、その国や地域の液体物持ち込みルールが適用される可能性があります。
国土交通省は、国際線の液体物制限に関する案内を公開し、外国当局による別の規制がある場合は利用航空会社へ確認するよう案内しています。
復路や乗り継ぎ後の便でも保冷剤を使う場合は、次の情報を確認してください。
・帰国便が出発する空港の液体物規定
・乗り継ぎ空港で再検査を受けるか
・乗り継ぎ国や地域の液体物規定
・各区間を実際に運航する航空会社の手荷物規定
コードシェア便を利用する場合も、各区間を運航する航空会社へ確認してください。
飛行機へ保冷剤を持ち込むときの失敗例
凍らせれば100mlを超えても持ち込めると思う
国際線では、凍らせた保冷剤も液体物制限の対象です。
完全に凍らせても、100mlまたは100gを超える保冷剤を通常の機内持ち込み手荷物として持ち込めるわけではありません。
瞬間冷却剤を一般的な保冷剤と同じだと思う
瞬間冷却剤は、一般的なゲル状保冷剤と成分や航空会社での扱いが異なります。
特に硝酸アンモニウムを使用した製品について、JALは機内持ち込み・預け入れともできないと案内しています。
成分と航空会社の回答を確認できない場合は、飛行機へ持って行かないでください。
容量表示のない保冷剤を選ぶ
国際線では、保冷剤の外装から容量または重量を確認できることが大切です。
表示が消えている物や容量不明の物ではなく、100mlまたは100g以下と確認できる物を選びます。
透明袋を手荷物の奥へ入れる
正しい透明袋へ入れていても、保安検査ですぐに取り出せなければ慌ててしまいます。
保安検査が終わるまでは、透明袋をバッグの上部へ入れておきましょう。
保冷剤だけ確認して食品の条件を見ない
保冷剤を持ち込めても、食品の種類によっては渡航先の検疫や持ち込み規制を受ける場合があります。
航空会社の手荷物規定だけでなく、渡航先の税関や検疫機関の案内も確認してください。
保冷剤を使わずに食品を冷やす方法
移動時間が短い場合は、食品を出発直前まで冷蔵庫へ入れ、保冷バッグへ移して早めに食べる方法があります。
国際線で大きな保冷剤しか用意できない場合は、無理に機内へ持ち込まず、預け荷物へ入れられるか航空会社へ確認します。
保安検査後の搭乗待合エリアで、冷たい食品や飲み物を購入する方法もあります。
長時間持ち歩く場合は、傷みやすい食品を避け、常温で持ち運びやすい物へ変更することも検討しましょう。
保冷剤を入れたことだけで判断せず、移動時間や食べるまでの時間も考えて食品を選ぶことが大切です。
飛行機へ保冷剤を持ち込む前の確認事項
飛行機へ保冷剤を持ち込む前に、次の順番で確認します。
1.国内線か国際線か。
2.冷凍して繰り返し使う一般的な保冷剤か。
3.叩いたり折ったりして使う瞬間冷却剤ではないか。
4.瞬間冷却剤の場合は成分を確認できるか。
5.硝酸アンモニウムが使用されていないか。
6.国際線の場合は1個100ml以下か。
7.重量表示の場合は100g以下か。
8.容量1リットル以下の透明袋へ入れられるか。
9.透明袋の口を完全に閉じられるか。
10.復路や乗り継ぎ時にも使用するか。
11.運航航空会社の最新情報を確認したか。
国土交通省の資料は代表例であり、航空会社の社内規則で制限が厳しくなる場合があります。
種類や成分を確認できない場合は、商品名や成分表示の写真を用意し、運航航空会社へ事前に問い合わせてください。
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公式情報・参考資料
・国土交通省|国際線の航空機客室内への液体物持込制限
・国土交通省|液体物持ち込み制限のよくある質問
・国土交通省|機内持ち込み・預け手荷物における危険物
・JAL|国内線における一般的な保冷剤の取り扱い
・JAL|特にお問い合わせの多い危険物の代表例
・ANA|医薬品の持ち込みが必要な利用者への案内
記事情報
執筆: 寄り道ヒント帖運営者
公開日: 2026年7月27日
最終確認日: 2026年7月27日
確認方法: 国土交通省、JAL、ANAの公式情報を確認しています。
専門家による監修: なし
航空会社、空港、外国当局の規定は変更される場合があります。
搭乗前に、実際に利用する航空会社と出発空港の最新情報を確認してください。

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